①疑惑と発覚 はこちら



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 12月中旬 手術前日
仕事から帰り、最後の晩餐。(21時から食事禁止だった)
そのあとはいつもどおりお絵かきしたりゲームしたりして、そこそこ夜更かしして就寝。
睡眠スキルのび太並(夫談)のわたしにしては少しだけ眠れない夜になった。

 手術当日
朝7時頃起床。8時には病院に着き、手続きをしてICUに入る。(術後はICUで一晩過ごすためらしい)
早速点滴を入れてもらう。手術も初めてならこんなふうに点滴をするのも初めてだった。
ICUではテレビもスマホもNGのため、点滴のスタンドをカラコロひいて談話室で時間をつぶすことにした。談話室では先日手術したというご婦人と話をした。
ご婦人は「大丈夫、全っ然痛くなかったよ!あっという間に終わるから、大丈夫!」って何度も励ましてくれた。わたしは、相当怯えた顔をしてたようだ…(笑)

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手術室へは自分で歩いて移動。(手術の体験記などでよく見る新事実)
手術室の真ん中にぽつんとある手術台(小さい)には自分でよじ登った。仰向けに寝転んだら、なんだかあったかい毛布をかけてくれた。
さむくないですか、と聞かれ、はいと答えると口と鼻にマスクをかぶせられる。
お薬入れますね~みたいなことを言われて、ぼんやりと上にあるライトを眺める。
ネットでみたように、手術室には何故かJ-Popが流れていた。
聴いたことあるようなないような、なんだっけこのバンド?
と考えたところあたりで記憶は途切れている。

目覚めると「くまみんさーん」と名前を呼ばれていた。「終わりましたよ~」とか「足を曲げられますか?」とか。
ガラゴロとベッドが移動していて、体が重い感じはあったけど気分は悪くはなく、「終わったのか~もっと寝ていたいな~」という気持ちだった。
ネットで全身麻酔について調べていた時、「1,2,3…とカウントされてふっと意識が落ちた」「落ちていくイメージ映像があった」「一瞬で目が覚めた感じ」等の体験談を見たけど、個人的には本当に《眠りと目覚め》もっといえば《寝落ち》に近いものだったと思う。
意識はフェードアウトしていったし、夢は見なかったし、眠っていた時間は長くはないが一瞬というわけでもなく、たしかにそこに時間の経過を感じていた。
わたしはまつ毛エクステに行くとよく施術中に寝てしまうのだけれど、その感覚とすごく似ていた。

ベッドに戻って時間を訊くと、手術室に入ってからだいたい2時間くらい経っていた。
傷は違和感はあるものの痛みはなく、心配していた吐き気などの症状もまったくなくてほっと一安心。

夕方に家族や夫がお見舞いに来てくれて、それからはひたすら眠る、起きる、本を読むのループだった。
読んでいた本はこちら

母性 (新潮文庫) [ 湊 かなえ ]
母性 (新潮文庫) [ 湊 かなえ ]

少女 (双葉文庫) [ 湊かなえ ]
少女 (双葉文庫) [ 湊かなえ ]

正直、身体がそこそこしんどいときに読む作家ではないかも、湊かなえ(笑)大好きな作家さんです。

熱が出て、ずっと頭痛がしていた。寝返りをうつと傷が引っ張られて痛い。
隣にお腹を手術したらしい高齢の男性が入ってからは、その男性がつらそうに咳き込んだり痰を吐いたりする音がとにかく気になって、そちらの方がしんどかった。持ってきたイヤホンは耳栓替わりにずっと耳に入れていた。
夕食を出されたものの食べられず(直前にトイレに起きたら貧血状態のようになってしまった)、夜は少し眠っては隣の音で起きる、のループ。(自分の具合が少し悪かったのもあるかもしれないけれど)
本当に長い長い夜だった…。もう二度と入院、手術などしたくない…と心から思った。

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長い長い夜が明けて、朝食が出された。
半分も食べられなかったけれど、パックの牛乳がとっても美味しかった。
ご飯が食べられたので無事退院!

 術後
葉状腫瘍の摘出手術から1か月後、無事良性との結果が出た。
ただ、葉状腫瘍は葉状腫瘍だったものの、ゆきだるま型になっているうちのひとつは葉状腫瘍ではなかったとのこと。
つまり、葉状腫瘍とふつうの繊維腫瘍?のミックスみたいな。
「珍しい、こんなことあるのかなぁ~」と医師は言っていた。

 術後うん年、現在
結婚して地元の病院が遠くなったため、今住んでいる所の近くの病院で毎年乳がん検査を受けている。
マンモグラフィーも2年に一度は受けるようにしている。
手術の痕は殆ど消えたけど、胸の形は手術した左がよく見ると少しだけ歪んでいる。
それでも手術をして良かったと思う。怖い思いをしたからこそ、乳がんの検査はこれからもしっかり受けて行きたい。

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